2020.10.21

菊花賞で無敗の三冠に挑む
コントレイルに、本当に敵はいないのか?

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Kyodo News

「(コントレイルは)日本ダービー(5月31日/東京・芝2400m)の時は、抜け出すとソラを使いましたが、神戸新聞杯ではそういうところをまったく見せなかった。この馬の場合、もともと完成度が高いので、成長の必要はあまりないのですが、そうした点を含めて、夏を越しての成長が感じられました。つまり、ますます強くなっている、ということ。ですから、他陣営が怖気づくのも無理はありません」

 となると、史上8頭目の三冠馬にして、史上3頭目の無敗の三冠馬誕生――菊花賞を勝って、コントレイルがそう呼ばれる可能性は、限りなく100%に近いように思われる。

 コントレイルにとって、さらにラッキーなことは「三冠馬が誕生する時はいつもそう」と言われるように、今年もまた、相手が弱い。しかも、春からほとんど勢力図が変わっていないなか、GI皐月賞(4月19日/中山・芝2000m)、ダービーで2着となり、最大のライバルと目されていたサリオスが路線変更したとなれば、もはや敵なしだ。

 コントレイルの長所は、何と言っても"対応力"に優れていること。それは、"頭のよさ"と言い換えてもいい。

 そのため、どんな競馬場かはもちろん、どんな馬場状態かも問わない。加えて、まったく違うレースとなった皐月賞とダービーを制しているように、展開も問わない。

 確かに菊花賞の3000mという距離は、この馬にとって適距離ではない。だからといって、苦にする距離でもない。

 だいたい、出走予定馬で3000m戦を経験している馬は1頭もいない。すべての馬にとって、未知の舞台となる。となれば、コントレイルの優れた"対応力"が一段とモノを言うはずだ。何より、他馬とは備わっているポテンシャルが、二枚も、三枚も違う。

 唯一、コントレイルを負かせる馬がいるとすれば、"強い逃げ馬"だろう。長距離戦では、逃げ馬が波乱を起こすことが多いからだ。