秋華賞はキズナ産駒がコース勝率1位。ならば狙うべき馬が2頭いる (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

3月のGⅢフラワーCを勝利したアブレイズ3月のGⅢフラワーCを勝利したアブレイズ 同馬は3月のGⅢフラワーC(中山/芝1800m)で重賞初勝利を飾ったが、GⅠオークスでは17着、前走のGⅡローズS(中京・芝2000m)では12着と大敗。ただ、前走はややイレ込み気味で力を出し切れていない感もあった。馬体が18kg増えていたのも、単純に成長した部分もあるだろうが、状態が万全ではなかった可能性が高い。京都の芝2000mでは、新馬戦で勝利を挙げていることもあり、巻き返しの余地はあるだろう。

 母の父ジャングルポケットは、2011年の勝ち馬アヴェンチュラ、2010年の3着馬アプリコットフィズの父でもある。さらに、牝系は英ダービー馬ラムタラや、全欧3歳牝馬チャンピオンのボスラシャムが出た名門で、血統的にも申し分ない。2連敗中とあって今回は人気を落としそうだが、一発があってもおかしくない1頭だ。

 また、マルターズディオサ(牝3歳/美浦・手塚貴久厩舎)は前哨戦のGⅢ紫苑S(中山/芝2000m)を勝っての参戦。春にもGⅡチューリップ賞(阪神/芝1600m)を勝ち、昨年はGⅠ阪神ジュベナイルフィリーズ(阪神/芝1600m)でも2着と、すでにトップクラスの実力を見せている。

 桜花賞は8着、オークスは10着と敗れているが、桜花賞は重馬場、オークスは距離が敗因だろう。秋華賞は前走で勝利した2000mのため、馬場さえ悪くならなければ上位争いができそうだ。

 以上、今年の秋華賞はデアリングタクトの実力を尊重しつつ、アブレイズ、マルターズディオサのキズナ産駒2頭の激走に期待したい。

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