凱旋門賞で日本のディアドラに騎乗する名ジョッキーの男気に感謝 (3ページ目)

  • 土屋真光●文・撮影 text & photo by Tsuchiya Masamitsu

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 そんなディアドラの走りも気になるところだが、レースを予想するとなれば狙い目の馬もチェックしておきたいところだ。

 昨年、前人未到の凱旋門賞3連覇に挑んだエネイブル(牝6歳)は、ゴール前でヴァルトガイストに捉えられて偉業達成はならなかった。しかし6歳となった今年も現役を続行し、同レース史上初となる3勝目を狙う。

 そのエネイブルと、GⅠ英オークスなどを制したラブ(牝3歳)の争いと予想する声が多かったが、枠順抽選当日の10月1日にラブが出走回避を発表。一転して"エネイブル1強"の様相を呈してきた。

 主要ブックメーカーのオッズでは、エネイブルが2.25倍前後で、続いて同厩舎のストラディバリウス(牡6歳)が7.5倍前後、昨年の3着馬ソットサス(牡4歳)が9倍前後となっている。

 ラブが不在となったことでエネイブルに勝てる馬が見当たらないのだろうが、昨年も「勝負付けが済んだ」と思われていたヴァルトガイストが、エネイブルの偉業を阻んだ。さらに歳を重ねた分、昨年よりも難度は上がっているだろう。

 もうひとつ注目すべきは、パリロンシャン競馬場の馬場状態。昨年も渋った馬場で行なわれ、最後は馬場適性よりも、個々の能力がモノを言った結果になった。

 上位3頭のうち、2頭は地元で実績を残しているフランス調教馬だった。アイルランド調教馬はパワーにあふれ、重馬場も問題なくこなすイメージがあるが、なぜかシャンティイやパリロンシャンの重馬場ではパフォーマンスを落とす傾向がある。

 昨年の結果も、その一端が現れたのかもしれない。同じように重馬場で行なわれた2013年も、上位5頭のうち2着のオルフェーヴル、4着のキズナという日本勢以外はフランス調教馬だった。
 
 これらを踏まえて、エネイブルを脅かしそうな穴馬を、フランス調教馬から3頭ピックアップしたい。

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