スプリンターズSは血統的傾向が重要。コース相性もバッチリな2頭を選んだ (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 モズスーパーフレアは、昨年のスプリンターズSは逃げてタワーオブロンドンから1/2馬身差の2着。今年は高松宮記念を2位入線からの繰り上がりで勝ち馬となっている。
 
 この馬の最大の魅力は、何といっても圧倒的なスピードにある。昨年のGⅢオーシャンS(中山/芝1200m)では前半3F32秒3というハイラップを刻みながら、2着に1馬身1/4の差をつけて逃げ切っている。

 小倉や福島のように直線が平坦だったり、緩い坂の競馬場ならハイペースで逃げ切ることも珍しくないが、中山のような高低差5.3mという急坂のコースで逃げ切るのは至難の業。過去30年、「中山/芝1200m」で前半32秒5以内のラップを刻んで逃げ切った馬は、他に2002年OPオーシャンSを勝ったショウナンカンプしかいない。ショウナンカンプも高松宮記念勝ち馬であり、モズスーパーフレアも繰り上がりの勝利だったとはいえ、その勲章に相応しいスピードを持ったスプリントGⅠ馬と言える。

 さらにモズスーパーフレアを推したい理由は、中山コースとの相性のよさにある。前述のオーシャンSなど、これまで5戦して3勝、2着2回のパーフェクト連対。そのうち2レースで記録した持ちタイム1分07秒0は、スプリンターズSの過去の勝ちタイムと比較しても2位タイに入る優秀なものだ。高松宮記念では初の重馬場を苦にせず走るなど、馬場が渋っても問題ないのも心強い。

 前走のGⅢ北九州記念(小倉/芝1200m)は14kg増の馬体重で56.5kgの重いハンデを背負い、稍重馬場の中で前半3F32秒4のハイラップを刻んで2着と頑張った。昨年も、26kg増の大幅な馬体増で出走した北九州記念で4着に敗れたあと、スプリンターズSで2着に入っており、すでに実績のある臨戦過程というのも心強い。今度こそ1位入線で正真正銘のGⅠ制覇といきたいところだ。

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