神戸新聞杯はコントレイルが鉄板も、
気になる無敗馬がもう1頭いる

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro

 今年の神戸新聞杯の舞台は、阪神の芝2400mではなく、中京の芝2200mとなりますが、改修後の中京コースは広くて、実力が反映されやすいコースになっています。コントレイルは、左回りの東京スポーツ杯2歳S(東京・芝1800m)とダービーで最高のパフォーマンスを見せていますから、何ら問題はないでしょう。

 正直なところ、昨年末のGIホープフルS(中山・芝2000m)までは、レースのうまさや相手に恵まれた面もあって勝ち上がってきたのではないか、という見方をしていました。しかし、後方からの競馬になりながら、大外をまくってライバルたちをねじ伏せた皐月賞で、コントレイルの真の強さを思い知らされました。

 ダービーでは、鞍上の福永祐一騎手が貫禄を感じさせる落ち着いた騎乗を見せて、危なげない勝利を飾りました。現時点で、この世代の牡馬では「一強」という評価は揺るがないと思います。コントレイルが負ける可能性、他馬の逆転の可能性を考えるのは、ここではなく、菊花賞の時でいいのではないでしょうか。

 コントレイルの対抗と目されるのは、ダービーで掲示板に載った3着ヴェルトライゼンデと5着ディープボンド(牡3歳)でしょうか。ただし、この世代はコントレイル、そしてサリオスが抜けた存在で、3番手グループは混戦のまま春シーズンが終わった感があります。となると、これら2頭には絶対的な信頼は置けません。

 実際、ヴェルトライゼンデは当初、強い馬が出てくる神戸新聞杯を避けて、先週のGIIセントライト記念(9月21日/中山・芝2200m)からという、池江泰寿厩舎の得意なパターンで始動する予定だったそうですが、熱発の影響でこちらにスライドしたと発表されています。その辺りは懸念されますね。

 ディープボンドは、2200m戦のGII京都新聞杯(5月9日/京都)を勝っていますし、初の左回りのレースとなったダービーでも5着と健闘。その実績は評価に値しますが、さすがにコントレイルを逆転するのはどうか。夏を越して、想像以上の成長を見せていないと難しいでしょうね。逆に成長がなければ、新興勢力に屈してもおかしくありません。

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