穴党記者は知っている――京成杯AHで波乱を起こすのはどんなタイプか

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

◆セントウルSの狙い目は?>>

 秋競馬がいよいよスタート。その開幕を飾る重賞は、サマーマイルシリーズ()の最終戦となるGIII京成杯オータムハンデ(9月13日/中山・芝1600m)だ。
※夏競馬を盛り上げるために行なわれている重賞のシリーズ戦(一部、リステッド競走も含む)。6月~9月に開催される指定重賞での成績をポイント化し、その総合得点を競うもの。芝のスプリント戦(1000m~1200m)を対象にしたものが『サマースプリントシリーズ』、芝1600m戦を対象にしたものが『サマーマイルシリーズ』、芝2000m戦を対象にしたものが『サマー2000シリーズ』。そして、それらすべてのレースを対象にしたものが『サマージョッキーズシリーズ』。それぞれのシリーズチャンピオンには褒賞金が与えられる。

 過去10年の結果を振り返ってみると、1番人気は2016年から2018年まで3連勝を飾っているが、馬券に絡んだ(3着以内)のはその3回だけ。加えて、トップハンデの実績馬も未勝利で、2着2回、3着2回とパッせず、波乱含みのレースであることは間違いない。

 そしてまた、馬券検討においては、見逃せないデータがある。同じサマーマイルシリーズのGIII関屋記念(新潟・芝1600m)から転戦してきた馬たちが、あまり結果を残せていないことだ。その点について、スポーツニッポンの小田哲也記者はこう語る。

「暑い夏に輸送してのダメージか、コースの適性か、その要因は定かではありませんが、過去10年で関屋記念からの転戦組は延べ54頭が出走していて、1勝、2着5回、3着5回。とにかく、勝てないんです。2014年に唯一、クラレントが勝っていて、その時は1~3着まで関屋記念組が独占しているのですが、実はこの年の京成杯AHは中山競馬場の改修により、新潟競馬場での開催だったんですよね」

 基本的に人気サイドの関屋記念組だが、そうなると、やや信用は置けない。代わって、小田記者は過去10年で6勝を挙げている"条件"に注目する。

「前走で重賞以外、3勝クラス(旧1600万下)やオープン特別を勝ってきた馬です。昨年勝ったトロワゼトワル、一昨年の勝ち馬ミッキーグローリーもそうでした。勢いがありながら、昇級初戦などでハンデがあまり重くならないことが、好走につながっているのかもしれません」

1 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る