名牝シーザリオが送り出す
新スター候補、ルペルカーリアの可能性

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

 そして、記憶に新しいのは、2016年に生んだサートゥルナーリア(牡4歳/父ロードカナロア)だ。「大物」という前評判どおり、デビュー戦から連勝街道を邁進。2歳GIのホープフルS(中山・芝2000m)を無傷の3連勝で制した。

 さらにその後、ホープフルSからぶっつけで挑んだ牡馬クラシック初戦のGI皐月賞も勝利。2つ目のタイトルを獲得した。以降、GIでの勝ち星はないものの、その能力の高さからして、今後も栄冠を積み重ねていく可能性が大いになる。

 シーザリオは、これだけの活躍馬を出しているのである。ルペルカーリアが早くから注目され、多くのファンが期待するのも当然だろう。

 そんなルペルカーリアは現在、どんな状況にあるのか。関西競馬専門紙のトラックマンがその様子を伝える。

「まだ入厩して日が浅いのですが、友道調教師はデビューの時期について『9月27日か、10月3日の2歳新馬(中京・芝2000m)あたりを予定している』と言及。兄たちは気が強いタイプばかりでしたが、『(ルペルカーリアは)おっとりしていて、距離が持ちそう』とも話していました」

 現在の馬体重は「おそらく500kgほどある」とのことで、これから本格的に追い切りを重ねていくそうだ。

 また、別のスタッフからは、現時点でも相当前向きな評価が聞かれたという。トラックマンが続ける。

「あるスタッフにルペルカーリアについて聞くと、『いい馬です』と即答。『スピードがありそうで、背中の感触がとてもいい』と言っていました。加えて、『能力はありそう。気性も今のところは素直』と、かなりの手応えを感じている口ぶりでした」

 現役時代はもちろん、繁殖牝馬となってからも、すばらしい活躍を見せているシーザリオ。またも新たなスターを世に送り出すのか。ルペルカーリアの初陣に注目である。

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