エルムSで狙い目の3頭。特殊なダート重賞ゆえ3つの重要要素で選択

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

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 8月9日、札幌競馬場でGⅢエルムS(ダート1700m)が行なわれる。

 北海道地区(札幌、函館)で行なわれているJRAダート重賞はこのレースのみ。1700mのダート重賞もエルムSだけで、やや特殊な条件のレースになるため、今回はさまざまなファクターから分析していこう。

前走のマリーンS3着からエルムSに臨むアディラート前走のマリーンS3着からエルムSに臨むアディラート 今年の出走馬の中でもっとも注目を集めそうなのは、前走のOPマリーンS(函館/ダート1700m)を3馬身半差で圧勝したタイムフライヤー。ただ、マリーンSはエルムSの前哨戦として多くの馬が出走しているものの、意外にも関連性は低い。過去10年でこの2レースを連勝したのは2011年のランフォルセだけだ。

 ほかにも、2013年のブライトライン(1番人気3着)、2015年ソロル(3番人気5着)、2016年ショウナンアポロン(5番人気12着)、2017年テイエムジンソク(1番人気2着)、2019年リアンヴェリテ(3番人気5着)と、マリーンSを制して同レースに臨んだ5頭がすべて敗れている。

 一方で、マリーンSで敗れてエルムSで巻き返した馬は多く、2015年ジェベルムーサが3着から、2018年ハイランドピークが2着から、2019年モズアトラクションが2着から優勝。さらに同じ北海道のダート1700m戦でも、札幌と函館では微妙に傾向が異なっている。以上のデータから、マリーンS勝ち馬のタイムフライヤーは人気ほど信頼しにくく、同馬に惜敗した馬が狙い目になるだろう。

 その点では、マリーンS上位組から出走するアディラート(牡6歳/栗東・須貝尚介厩舎)が注目。

 全6勝がダート1400mだが、前走のマリーンSと、4月の吾妻小富士S(福島/ダート1700m)でも3着に入っており、最近は距離の融通性が出てきている。4歳時には海外GⅡゴドルフィンマイル(UAE/ダート1600m)で3着と、世界の強豪相手に好走した実績もあり、重賞を勝てる力の持ち主だ。

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