牝馬三冠の子アカイトリノムスメ。
調教の「反応よかった」と戸崎騎手

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

厳選!2歳馬情報局(2020年版)
第9回:アカイトリノムスメ

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 2010年に史上3頭目の牝馬三冠を達成したアパパネ。その名牝の子として、大きな期待が寄せられている2歳馬がまもなくデビューを迎える。

 美浦トレセンの国枝栄厩舎に所属するアカイトリノムスメ(牝2歳/父ディープインパクト)である。

牝馬三冠を遂げたアパパネの子として注目されているアカイトリノムスメ牝馬三冠を遂げたアパパネの子として注目されているアカイトリノムスメ 母アパパネは、2009年7月にデビュー。初戦は3着に敗れたものの、2戦目の未勝利を快勝すると、そこから類まれな才能が一気に開花した。以降、500万下(現1勝クラス)特別、GI阪神ジュベナイルフィリーズ(阪神・芝1600m)と破竹の3連勝を飾って、2歳女王に輝いたのである。

 3歳になってからも、クラシックの主役として躍動。前哨戦のGIIIチューリップ賞(阪神・芝1600m)こそ2着に屈するも、迎えた本番のGI桜花賞(阪神・芝1600m)では1番人気に応えて、見事に一冠目を獲得した。

 続くGIオークス(東京・芝2400m)では、その血統背景から距離不安が囁かれていた。それゆえ、単勝2.8倍だった桜花賞の時よりも評価を落とし、1番人気ながら単勝オッズは3.8倍と高かった。だが、レースでは周囲の不安を一掃する軽快な走りを披露。サンテミリオンと壮絶なマッチレースを展開し、GI史上初となる1着同着という結果で二冠目を手にした。

 その後、秋初戦のGIIローズS(阪神・芝1800m)では4着に終わるも、肝心のGI秋華賞(京都・芝2000m)では、危なげない競馬で優勝。1986年のメジロラモーヌ()、2003年のスティルインラブに続く、牝馬三冠馬となった。
※秋華賞創設前のメジロラモーヌは、桜花賞、オークス、エリザベス女王杯による三冠。

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