横山ルリカが感じた「圧倒される幸せ」。2020年競馬前半戦を振り返る (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • 田中亘●撮影 photo by Tanaka Wataru

 私は、馬券が当たったらもちろんうれしいのですが、それよりも強い馬を見るのが好きで「つよーっ!」って言いながらその走りに圧倒されたいんです(笑)。そういう意味で、この2頭の強さには度肝を抜かれました。
「強い馬に圧倒されたい」と語る横山さん「強い馬に圧倒されたい」と語る横山さん コントレイルは、日本ダービーで最後の直線を少し遊びながらも圧勝。本当に強かったです! 3冠がかかった秋のGI菊花賞の勝利も確実なんじゃないでしょうか。GIを3勝したディープインパクト産駒の牡馬はフィエールマン(牡5歳)しかいないので、コントレイルにはぜひ記録を更新していってほしいです。GI有馬記念まで無敗で制して"父超え"を果たしてくれることを楽しみにしています。

 デアリングタクトも、オークスでは2着のウインマリリンが完璧な競馬をしたのに、あっさりと差し切りました。もちろん、松山弘平騎手の好騎乗もありますが、同じ世代の馬の中では頭ひとつ抜けていると思います。

 なにより衝撃だったのは、近年のクラシックはノーザンファーム1強の傾向があるなか、この無敗の2冠馬2頭がノーザンファームの生産馬ではないということ。オークスの1〜3着も"非ノーザン"で、多くの名馬を生んだキングカメハメハとディープインパクトが亡くなり、クラシックの結果も変わってきている印象です。

「平成」から「令和」に元号が変わったように、競馬の世界にも新しい風が吹き始めているのを感じますね。

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