出世レースのユニコーンS。人気馬よりも注目すべき期待の2頭がいる (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 血統背景もそれを裏づける。父ゴールドアリュールの産駒はこのレースに9頭が出走し、2014年レッドアルヴィス、2016年ゴールドドリーム、2017年サンライズノヴァの3頭が優勝。2018年も、1400m戦を連勝してきたホウショウナウが、10番人気ながら4着と好走した。ダートの大物が数多く出ているゴールドアリュール産駒は、1600~2000mを得意とする馬が多いのだ。

 また、母シークレットジプシーはGⅡディスタフH(ダート6F)など米重賞3勝の活躍馬で、その父シーオブシークレットは大種牡馬ストームキャット産駒だ。2014年の勝ち馬レッドアルヴィスがストームキャットの血を祖母の父に持っており、母系にミスタープロスペクターの血を持つのも、ゴールドアリュール産駒の過去の勝ち馬3頭と共通する。末脚の破壊力、豊富なキャリア、そして血統の力がこの舞台で発揮されるはずだ。

 もう1頭、血統的な注目馬としてスリーグランド(牡3歳/栗東・高橋義忠厩舎)を挙げておこう。

 父シニスターミニスターは、昨年の地方交流GⅠJBCレディスクラシック(浦和/ダート1400m)を勝ったヤマニンアンプリメなどを出すダート種牡馬。代表産駒の1頭であるインカンテーションは、ユニコーンSと同じコース・距離のGⅢ武蔵野Sを勝ち、GⅠフェブラリーSで2着に入っている。

 さらに、スリーグランドの半兄には地方交流GⅠジャパンダートダービー(大井/ダート2000m)勝ち馬のヒガシウィルウィン、全姉には地方競馬・南関東の重賞、東京湾C(船橋/ダート1700m)の勝ち馬ディーズプリモがいる。力強い末脚の持ち主で、前走の端午Sでは3着に敗れたものの、直線でなかなか進路が開かず、ゴール前で他馬に寄られて追えなくなるなどの不利があった。スムーズな競馬が出来れば、この条件でも通用するだろう。

 以上、ユニコーンSはサトノラファール、スリーグランドの2頭に期待したい。

※スリーグランドは除外となりました。

■平出貴昭 著
『覚えておきたい世界の牝系100』(主婦の友社)
詳細はこちら>>

2 / 2

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る