オークスの本命はデアリングタクト。伏兵は「別路線組」に隠れている (3ページ目)

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro

 過去2戦は、ともにスタート後に馬群の後ろまで下げて、楽なポジションで走らせながら、最後の直線を脚力の違いで差し切り勝ち。オークスでも同じ結果を出せれば、間違いなく「大物」と言えますが、各馬が距離を意識してスローペースになった場合、この舞台では立ち回りのうまさや折り合いも問われます。

 最後方からの大外一気という大味な競馬では、なかなか勝ち切れません。デゼルが結果を出すには、これまでの2戦とは違った姿を求められることになるでしょう。

 要するに、デゼルにある不安は経験の浅さ。そこをどう穴埋めするのか。友道厩舎の育成力と、レーン騎手の手腕に注目です。

目標としてきたオークスでの激走が期待されるウインマリリン目標としてきたオークスでの激走が期待されるウインマリリン ところで、今年のオークスの「ヒモ穴馬」は、別路線組から取り上げたいと思います。GIIフローラS(4月26日/東京・芝2000m)を勝ったウインマリリン(牝3歳)です。

 マルターズディオサと同じ手塚貴久厩舎の管理馬ですが、王道を進んできたマルターズディオサとは対照的に、同馬は「オークス向き」という判断で、初めから長めの距離にこだわったローテーションを組んで、ここまで駒を進めてきました。

 フローラSでは、直線で最内から抜け出して勝利。凄まじい向かい風が吹き荒れていましたが、脚色は最後まで衰えることがありませんでした。この精神力と、枠順やペースに応じて器用に立ち回れるレース巧者ぶりは、オークスというレースでは大きな武器になるはずです。

 鞍上は、横山武史騎手から父の横山典弘騎手に替わります。昨年はダービーにおいて、横山典弘騎手が騎乗停止になったことにより、リオンリオンの鞍上が息子の横山武史騎手に替わりました。そんな父子の立場が、今年は逆の形となりました。

 横山武史騎手にとっては、自らの手で権利をつかんだGI挑戦だっただけに、当然悔しさはあるでしょう。ともあれ、自在に立ち回れるこの馬を横山典弘騎手が操るとなれば、何か起こしてくれそうな気がしてなりません。まだまだ色あせない大ベテランの手綱さばきに期待したいと思います。

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