2020.05.23

オークスの本命はデアリングタクト。
伏兵は「別路線組」に隠れている

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro

 先にも触れたとおり、桜花賞組がデアリングタクトを逆転することは難しいでしょうが、極端に上がりのかかる消耗戦となった桜花賞から、速い時計が出る馬場状態の府中へと舞台が替わって、浮上してくる存在はいるはず。その結果、3着以下の馬たちの着順は、それなりに入れ替わるのではないかと思っています。

 なかでも、上昇が期待できるのは、マルターズディオサ(牝3歳)。桜花賞では8着に敗れてしまいましたが、府中の良馬場でなら、大きく巻き返してきそうな雰囲気を感じます。

 桜花賞の前までは、GI阪神ジュベナイルフィリーズ(12月8日/阪神・芝1600m)2着、前哨戦のGIIチューリップ賞(3月7日/阪神・芝1600m)1着と、遠征競馬でほぼパーフェクトな成績を残してきました。桜花賞では、先行する2頭を追いかける立場の競馬となって、直線で脚が止まってしまいましたが、道悪馬場が影響したことは間違いないでしょう。

 阪神JF、チューリップ賞はともに好時計で走っていますし、新潟の未勝利戦(8月31日/新潟・芝1600m)と、1勝クラス・サフラン賞(9月29日/中山・芝1600m)を勝った時は、いずれも33秒台の上がりをマークして快勝。東京のいい馬場でこそ、マルターズディオサの真価が発揮されるのではないでしょうか。

 翻(ひるがえ)って、デアリングタクトと今回、初めて対戦する馬たちはどうか。魅力を感じている馬が1頭います。

 世間的にも大きな注目を浴びているデゼル(牝3歳)です。

 年明けの未勝利戦(3月15日/阪神・芝1800m)でデビュー。同レースを楽々と勝ち上がると、トライアルのスイートピーS(5月3日/東京・芝1800m)でも、上がり32秒5という強烈な末脚を繰り出して、大外から突き抜けていきました。いかにも大物感を感じさせる勝ちっぷりでした。

 毎年クラシックを賑わせる友道康夫厩舎の管理馬であること、加えてダミアン・レーン騎手が騎乗することも、多大な期待を寄せられる理由でしょう。実際、ハマった時は、デアリングタクトを逆転するだけの素質は秘めていると思います。

 ただ、現状では不安要素が見え隠れしている、というのが私の見方です。