デアリングタクト、オークス制覇に
唯一心配点。二冠達成の確率は?

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Kyodo News

 GI桜花賞(4月12日/阪神・芝1600m)のデアリングタクト(牝3歳)は強かった。

 ある競馬関係者は、「最後の直線で、みんな(脚が)止まったのに、この馬だけ伸びてきた。能力はケタ違いでしたね」と、舌を巻いていた。

 2戦目のオープン特別・エルフィンS(2月8日/京都・芝1600m)においては、レース史上、ウオッカしか出したことがない1分33秒台の勝ち時計をマークして、4馬身差の圧勝劇を披露。重馬場の桜花賞では一転、底知れぬパワーを繰り出して、ライバルたちをねじ伏せた。

 まさに"晴れてよし、降ってよし"の無敵ぶりだ。

次元の違う末脚を見せて桜花賞を制したデアリングタクト次元の違う末脚を見せて桜花賞を制したデアリングタクト デビュー以来、3戦3勝。無敗の桜花賞馬となったデアリングタクトは、いよいよ次はGIオークス(5月24日/東京・芝2400m)に挑む。

 過去10年で、桜花賞とオークスの"春二冠"を制した牝馬は、アパパネ(2010年)、ジェンティルドンナ(2012年)、アーモンドアイ(2018年)と3頭いる。10分の3という確率は、ハードルとして高いものではあるが、極端に高いものでもない。

 桜花賞で「他の馬が止まって見える」ほど、力の違いを見せつけたデアリングタクトなら、さほどの難関にはならないのではないか。

 二冠達成へ、視界は良好である。

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