NHKマイルCでレシステンシアに疑問符。「不安要素」がそろっている (4ページ目)

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Kyodo News

 状況は明らかに厳しい。それでも、レシステンシアにも、プラスに働きそうなデータがある。

 NHKマイルCがGIレースとして創設されたのは、1996年。以来、昨年までの24回の歴史の中で、牝馬が勝ったことが5回ある。

 そのうち、2007年のピンクカメオは17番人気という超人気薄だったが、それ以外は、いずれも1番人気か、2番人気だった。

 要するに、牡馬トップクラス相手であっても、牝馬でありながら1番人気か、2番人気に推されるほどの馬であれば、このレースを勝つ資格が十分にある、ということだ。

 各メディアの戦前の評価では、レシステンシアは現状1番人気か、2番人気と予想されている。

 これは、レシステンシアにとっては追い風だ。

「厳しい」と言った先の専門紙記者は、レシステンシアが勝つための条件として、次のようなことを挙げる。

「ハイペースの逃げ、これしかありません。そうして、相手になし崩し的に脚を使わせる。自らもきついが、相手はもっときつい、というレース展開に持っていく。そういうレースができれば、活路が開けるかもしれません」

 レシステンシアは2歳時のマイル戦で、1分32秒台で走った馬。2歳の時点で、これほどの時計を叩き出せる馬は滅多にいない。この馬は、それだけ驚異的なパフーマンスを発揮できるポテンシャルを秘めている、ということだ。

 はたしてレシステンシアは、NHKマイルCで華麗なる"ひとり旅"を演出できるのか。注目である。

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