NHKマイルCでレシステンシアに疑問符。「不安要素」がそろっている (2ページ目)

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Kyodo News

 たしかにデアリングタクトは、例年以上に時計がかかる特異な馬場になっていた京都の新馬戦、オープン特別のエルフィンS(2月8日/京都・芝1600m)を快勝。そもそも力の要る馬場は苦にしない。それゆえ、桜花賞と同じ舞台で行なわれた前哨戦のGIIチューリップ賞(3月7日)より、3秒近く時計がかかる馬場でもモノともせず、1頭だけ、後方から追い込んでレースを制した。

 一方、レシステンシアは、2歳時のGI阪神ジュベナイルフィリーズ(12月8日/阪神・芝1600m)で1分32秒7という破格の時計をマークして圧勝。元来、パンパンの良馬場でスピードを生かすタイプだ。それが桜花賞では、4角手前で早くも鞍上・武豊騎手の叱咤のムチが飛んだように、時計がかかる荒れた馬場は向かない。

 また、チューリップ賞では7着に敗れている3着馬スマイルカナ(牝3歳)にも、レシステンシアは直線半ばまで食い下がられた。このことをとっても、「重」というより、不良に近い極悪馬場にあって、レシステンシアの能力がいかに削がれたかがわかる。

 前述の専門紙記者が再び語る。

「桜花賞は、それほどの泥んこ馬場の巧拙が問われるレースでした。しかも、レシステンシアは大外に近い17番枠からのスタート。ゲートが開いてすぐに、隣の馬にぶつけられる不利もありました。

 にもかかわらず、勝ち馬との着差は1馬身半差。パンパンの良馬場だったら、『あそこまで負けていない』『もっと接戦になったはず』『勝つ可能性もあった』と、陣営は考えているわけです」

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