皐月賞はコントレイルが最有力候補も、キズナの初年度産駒に刮目せよ (3ページ目)

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro

 個人的に同馬の評価を落とさないのは、4着に敗れた共同通信杯で、単純に言えば、主戦の武豊騎手が"皐月賞、ダービーのために脚を測った"レースをしたからです。勝ちにいくというよりも、馬のリズムに任せて、外を回してどこまで伸びてくるか、そんなことを試した競馬でした。もちろん、それで突き抜けていれば、本番に向けて、さらに自信を深めることができたと思います。

 しかし、あの日の馬場はやや重で、内が伸びる傾向でした。おかげで、結果を出すことはできませんでしたが、目標のGIのために「いい経験になった」と割り切っていいレースだと思います。

 馬券的には、このマイラプソディの巻き返しに期待するのも面白いのですが、さらに人気の盲点になりそうな馬がいます。「東のユタカ」こと吉田豊騎手が騎乗するクリスタルブラック(牡3歳)です。今回の「ヒモ穴馬」には、同馬を取り上げたいと思います。

皐月賞での一発が期待されるクリスタルブラック皐月賞での一発が期待されるクリスタルブラック 人気の馬たちに比べると、地味な存在ではありますが、クリスタルブラックも2戦2勝で、無敗の重賞馬です。前走、皐月賞と同じ舞台で行なわれたGIII京成杯(1月19日/中山・芝2000m)では、勝ちパターンだったスカイグルーヴを大外から差し切り。その勝ち方は、先週の桜花賞でレシステンシアを差し切ったデアリングタクトを彷彿とさせるものがありました。

 見た目には、折り合いをつけるのが難しそうに見える馬ですが、レースを見ていると、吉田豊騎手はしっかりと手の内に入れているように思います。序盤はガーッといくのですが、一度抑えが効いて折り合ってからは、ずいぶんと余裕があります。

 おそらく吉田豊騎手は、見た目以上に楽に乗っているのではないでしょうか。ゆえに、2戦ともしっかりと末脚を使えているのだと思います。

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