桜花賞は王道ローテの3強が中心。大外一気を決める大器の逆転も?

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 今年も無事に3歳クラシックの開幕を迎えることができそうです。

 クラシックの出走、そして勝利というのは、競走馬にとって一生に一度のチャンスですし、GI競走の中でも特別な意味を持ちます。

 ゆえに、新型コロナウイルスの感染拡大防止へ「緊急事態宣言」が発令された状況にあっても、引き続き競馬が開催され、クラシックが行なわれることになったことは、出走予定馬の厩舎スタッフや騎手、そして牧場の人々や馬主など、多くの関係者が安堵していることでしょう。皆、この舞台に立つことを夢見てがんばってきたわけですからね。

 さて、牝馬クラシック第1弾は、GI桜花賞(4月12日/阪神・芝1600m)。今年は例年にない混戦ムードとなっています。その理由のひとつは、トライアルを挟まずに、桜花賞本番に臨む素質馬が多いからです。

 牝馬の出世レースとして名高いGIIIシンザン記念(1月12日/京都・芝1600m)を勝ったサンクテュエール(牝3歳)や、エルフィンS(2月8日/京都・芝1600m)を完勝したデアリングタクト(牝3歳)、GIIIクイーンC(2月15日/東京・芝1600m)の1着ミヤマザクラ(牝3歳)に、僅差の2着となったマジックキャッスル(牝3歳)らがそうです。どの馬も、年によっては人気の中心になってもおかしくない力の持ち主です。

 今年の桜花賞が混戦で、絶対的な中心馬がいないもうひとつの理由は、GI阪神ジュベナイルフィリーズ(12月8日/阪神・芝1600m)→GIIチューリップ賞(3月7日/阪神・芝1600m)という、牝馬クラシック戦線の"王道ローテ"の結果によるものでしょう。

 阪神JFでは、断然の1番人気に推されたリアアメリア(牝3歳)が6着に敗れ、代わって、当時は伏兵扱いだったレシステンシア(牝3歳)が5馬身差の圧勝を決めました。

 しかしその後、阪神JFの上位勢が顔をそろえたチューリップ賞では、阪神JFで驚異的な強さを見せたレシステンシアが3着、阪神JF2着のマルターズディオサ(牝3歳)が勝利しました。

 この2つのレースにおいて、上位3頭の顔触れは一緒だったものの、着順が入れ替わったことで、本当に強い馬はどの馬なのか、わかりにくくなっているのだと思います。

 ともあれ、牝馬クラシックというのは、阪神JF、チューリップ賞、そして桜花賞という、同じコースで行なわれる3つのレースにこそ、最もいいメンバーが集結。ハイレベルなレースが繰り広げられます。

 それに関しては、今年も変わらない、と考えています。

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