桜花賞の最有力候補。マルターズディオサは万全の態勢で決戦に挑む (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 そうして、阪神JFに挑戦。ここでは、好スタートから好位3番手につけてレースを進めたが、逃げるレシステンシアとの差を縮めるどころか、逆に広げられて、5馬身差の完敗を喫した。

 とはいえ、同世代の有力どころが顔をそろえたレースで2着と奮闘。新馬戦で敗れたウーマンズハート(4着)にも先着し、世代トップクラスの力があることを示した。

 このあと、休養を経て挑んだのが、チューリップ賞。阪神JFの覇者レシステンシアが断然人気のなか、再び逃げるレシステンシアをマークする形でレースを運んだ。

 迎えた直線。阪神JFではレシステンシアにみるみる離されてしまったが、今度は同馬を早々に捉えることができた。しかし代わって、阪神JF3着のクラヴァシュドールと壮絶な叩き合いを展開。互いに譲らぬ凄まじい攻防となったが、最終的にはマルターズディオサがハナ差で先着し勝利した。

 レースをこなすごとに成長を重ねてきたマスターズディオサ。いよいよクラシックへと向かうことになるが、同馬を管理する手塚貴久厩舎(美浦トレセン)の手応えはどれほどのものなのか。関東競馬専門紙のトラックマンがその様子を伝える。

「2、3戦目は、ゲートでの行儀が悪くて出遅れてしまいましたが、その不利をはねのけて勝った点を、陣営は高く評価しています。厩舎スタッフはとりわけ、出遅れながら外から追い上げたサフラン賞の走りを見て、『これならGIでも戦える』と感じたとのこと。コンビを組む田辺裕信騎手も、2戦目の未勝利戦を勝ったあと、『ずっと乗りたい』とスタッフに話していたみたいですよ」

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