高松宮記念は能力ある「3強」が中心。一角崩しなら勢いある4歳牝馬 (2ページ目)

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro

 あと、もともとライル・ヒューイットソン騎手が騎乗予定だった、昨秋のGIスプリンターズS(中山・芝1200m)の優勝馬タワーオブロンドン(牡5歳)に、福永騎手が騎乗することになりました。これには、ちょっと驚かされました。

 昨年のミスターメロディ、2016年のビッグアーサーと、近年、高松宮記念を2度も制している福永騎手。中京競馬場での信頼度も確かにピカイチですが、1、2を争う人気馬で、デビューから一貫して外国人騎手が騎乗してきましたからね、急なこの変更がどう出るか......。

 何はともあれ、レース当週になって、これほどいろんな動きがあったGIは、過去にもあまり例がないのではないでしょうか。これが、レース本番にどう影響するのか、その辺りも気になるところですね。

 レースにおいては、ここまでに名前が挙がったアイラブテーラー、ダノンスマッシュ、タワーオブロンドンは、どれも有力馬だと思います。とりわけ、昨秋のスプリンターズS、前哨戦のGIIIオーシャンS(3月7日/中山・芝1200m)で、激戦を繰り広げてきたダノンスマッシュとタワーオブロンドンの再戦は、注目ポイントと言えるでしょう。

 タワーオブロンドンは、オーシャンSで3着に敗れていますが、休み明けの馬体増で、斤量も1頭だけ重い58㎏。レースの立ち回りを見ても、明らかに叩き台といった雰囲気でした。巻き返す可能性は大いにあります。

 ヒューイットソン騎手から福永騎手への、急な鞍上の変更は、あくまでも"勝利のために最善を尽くした"ということだと思います。どちらがうまいとか、そういう話ではなく、初来日の若い外国人ジョッキーと福永騎手とでは、気持ちの面での余裕が違います。GIだと、そこは大きな要素になります。

 ダノンスマッシュについては、"GIになると勝てない"という点だけが懸念材料。斤量差があったとはいえ、前哨戦では昨秋と今春と、タワーオブロンドンに2度勝っています。オーシャンSでの楽な勝ちっぷりを見る限り、現役馬でトップクラスのスプリンターであることは間違いないでしょう。

 個人的にはもう1頭、勝ち負けを期待している有力候補がいます。初のスプリント戦に挑む、グランアレグリア(牝4歳)です。

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