高松宮記念、ダノンスマッシュは3度目の正直になるか (2ページ目)

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

 よくGIを勝つ馬とは、「どう乗っても勝てる」という強い馬か、そうでなければ、スピードにしろ、瞬発力にしろ、能力的に何かひとつ、「抜けている」と感じさせるものを持っている馬、と言われている。

 その点、ダノンスマッシュは、A級馬としての要素を万遍なく持っているものの、反面、どれひとつとして"抜けている"というほどのものは持っていない。

 ゆえに、GIに手が届かない、いわゆる"GI級"に甘んじている、ということなのかもしれない。

「平均点が高い」――というのは、競走馬にとって、必ずしも褒め言葉とはならないのである。

 まもなく行なわれる高松宮記念。ダノンスマッシュには"3度目の正直"が期待されているが、その見通しは、決して明るいとは言えない。

 前走では、GIIIオーシャンS(3月7日/中山・芝1200m)であっさり勝利を飾っている。ただし、レース間隔や舞台は別として、前走でGIII戦を快勝して、勇躍GIへというステップは、昨年の高松宮記念、スプリンターズSと同じ。GIIIの"快勝"が、GIの結果に結びつかないのが、この馬なのである。

 それでも、望みがまったくないわけではない。先の専門紙記者が言う。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る