阪神大賞典でニコニコになれる2頭。長距離の実績と血統で決まりや (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

 武器は鋭い差し脚だ。33秒9を出した菊花賞を含めた7つのレースで、メンバー中最速の上がり3ハロン(約600m)のタイムを出している。かつての長距離戦はスタミナがモノを言うケースが多かったが、最近は瞬発力で決まるケースも多くなっているため、この武器は心強い。

 血統を見てみよう。父キングカメハメハは、あまりステイヤーを出さないタイプではあるものの、菊花賞ではユーキャンスマイルのほか、2010年にローズキングダムが2着、2016年にエアスピネルが3着。ユーキャンスマイルが勝ったダイヤモンドSでは、2012年にケイアイドウソジンも勝利しているように、長距離でも実績を残している。

 母ムードインディゴはGⅢ府中牝馬S(東京/芝1800m)を勝ち、GⅠ秋華賞(京都/芝2000m)で2着に入った活躍馬。さらに注目したいのが、その父ダンスインザダークで、2009年スリーロールス、2004年デルタブルース、2003年ザッツザプレンティと、3頭の菊花賞馬を出した名ステイヤー種牡馬だ。

 母の父としても、ユーキャンスマイルのほか、GⅡステイヤーズS(中山/芝3600m)など長距離重賞4勝のアルバート(父アドマイヤドン)、天皇賞・秋などGⅠ2勝のラブリーデイ(父キングカメハメハ)などを出している。ユーキャンスマイルの長距離適性は、おそらくこのダンスインザダークから受け継がれたのだろう。

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