波乱必至の中山牝馬S。コースと距離に
実績ありの4歳馬2頭で夢を見る
血統を見てみよう。父ルーラーシップの産駒は、2018年GⅡアメリカジョッキーC勝ち馬のダンビュライト、2019年GⅡセントライト記念勝ち馬のリオンリオン、フェアリーポルカが2着だった昨年のGⅢ紫苑Sを勝ったパッシングスルーなど、中山競馬場で好成績を残している。さらに昨年の中山牝馬Sでは、ウラヌスチャームが2着に入った。
伯母トゥザヴィクトリーはGⅠエリザベス女王杯を勝った名牝で、その産駒の1頭、トーセンビクトリーは2017年に5番人気でこのレースを勝利している。トーセンビクトリーの父はルーラーシップの父キングカメハメハなので、フェアリーポルカとよく似た配合だ。コース適性、血統に強調材料のあるフェアリーポルカを中心に推したい。
穴馬として推したいのがレッドアネモス(牝4歳/栗東・友道康夫厩舎)。前走のGⅠ秋華賞(京都/芝2000m)は勝ち馬から5秒2差の17着と大敗したものの、2歳時のサフラン賞(中山/芝1600m)では、のちに重賞を2勝するコントラチェックを破っている。
さらに昨年5月に行なわれた、牡馬混合の白百合S(中京/芝1800m)でも、今年1月のGⅡ日経新春杯を勝ったモズベッロを破っていて、中山コースと1800mの距離での実績がある。問題は状態面になるが、前走の秋華賞はプラス18kgの492kgで出走と、あまりいい状態ではなかったようだ。勝利時の馬体重は470~474kgで、そのあとの成長分を考えても、少なくとも前走よりは絞れた状態での出走が好ましい。馬体重には注意が必要だ。
以上、今年の中山牝馬Sは、フェアリーポルカとレッドアネモスの4歳馬2頭に期待する。
■平出貴昭 著
『覚えておきたい世界の牝系100』(主婦の友社)
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