桜戦線に期待の新星登場。世代屈指の瞬発力を持つデアリングタクト (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Sports Nippon/Getty Images

 デアリングタクトを管理する杉山調教師も、2戦目の走りを見て、同馬への評価が一段と高くなったという。関西競馬専門紙のトラックマンがその様子を伝える。

「杉山調教師も初戦までは、『性格がよくて、扱いやすく、手がかからない』といった程度の印象で、新馬戦を好内容で勝ちながら、デアリングタクトに対して、そこまでの強さを感じていなかったようです。それが、2戦目で評価が一変。返し馬の時点で『いい走りをするな』と感じ取ったそうで、レース後は『すばらしい瞬発力を持っている』と、すぐにクラシックを見据えていました。

 しかも勝ちタイムは、同じ舞台で行なわれた同世代のGIIIシンザン記念(1分35秒9)はおろか、古馬オープンのGIII京都金杯(1分34秒0)を上回っており、勝ちっぷりだけでなく、時計も一級品です」

 このあと、桜花賞への直行を表明したデアリングタクト。クラシック一本に絞ったローテーションからも、陣営の本気度がうかがえる。

 なお、先述のトラックマンによれば、今後の課題について、陣営はこんな話をしているという。

「父エピファネイアは、スタート前のゲート裏でイレ込むことがありました。デアリングタクトも、『2戦目にはそんな素振りがあった』と杉山調教師。この点には『注意したい』と話していました。

 ちなみに、桜花賞以降の距離延長について、杉山調教師は『(マイル戦と)同じ末脚を使えるかどうかは、やってみないとわからないが、現時点で折り合い面での不安はなく、距離延長への心配はしていない』と言って、先々への期待も膨らませていました」

 デアリングタクトは、桜の舞台でも次元の違う切れ味を見せることができるのか。既成勢力との対戦が楽しみだ。

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