チューリップ賞は名マイラーの血統を受け継ぐ先行馬が逃げ切るか (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 阪神ジュベナイルフィリーズの勝ち馬はこのレースで好成績を残しており、2017年ソウルスターリング、2018年ラッキーライラック、2019年ダノンファンタジーと3年連続で勝利。過去10年で7頭の勝ち馬が出走し、4勝、2着1回、3着1回という成績を残している。レースレコードでの圧勝を見せたレシステンシアも、好走の可能性が高い。

 レシステンシアの血統を見てみよう。父ダイワメジャーは皐月賞などGⅠを5勝した名馬で、産駒には桜花賞馬レーヌミノル、阪神ジュベナイルフィリーズやNHKマイルCを勝ったメジャーエンブレム、昨年の香港マイルなどを勝ったアドマイヤマーズなど、多くの名マイラーを出したスピードタイプの種牡馬。母マラコスタムブラダは、アルゼンチンで芝2200mのGⅠ勝ちがある実力馬である。1600mをハイペースで逃げてもバテないスタミナは母系から受け継いでいるようだ。

 レシステンシアの死角をあえて探すとすれば、目標にされやすい先行タイプということだろう。阪神ジュベナイルフィリーズは4番人気とそれほど注目度が高くなく、圧倒的1番人気で後方からレースを進めるリアアメリアを気にしている馬が多く、それほどマークされずにマイペースに持ち込むことができた。しかし、今回はレシステンシアが人気を集めることは必至で、他馬もこの馬の強さを知っているため楽には逃げさせてくれない。レシステンシアにとっては厳しいレースになりそうだ。

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