中山記念は無観客開催で波乱要素増。人気薄の2頭が思わぬ結末を呼ぶ (3ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 同馬を管理する池江泰寿調教師も、『牧場で順調に乗り込めて、スムーズに調教をこなせた。(馬体は)太くもなく、細くもない』と評価しています。昨年のマイルCS(11月17日)でも、スローペースを追い込んで3着を確保。まだまだ衰えていません。

 3歳時には、GI皐月賞(中山・芝2000)で2着。中山との相性は悪くないと思いますし、2年前の敗戦で人気が落ちるようなら、なおさら狙い目です」

 一方、中日スポーツの大野英樹記者は、少頭数ならではの展開の妙に注目。超人気薄の1頭に目を向ける。

マルターズアポジー(牡8歳)です。このメンバー、この頭数なら、同馬の逃げが面白いと思っています。インディチャンプ、ウインブライト、ラッキーライラックといった人気を背負う馬は、いずれも好位。それぞれがけん制し合って、仕掛けが遅れる可能性は十分にありますよ」

 とはいえ、マルターズアポジーは、ここ6戦がすべてふた桁着順。しかも、8歳馬で上がり目は見えないが、大野記者はどういった要素から同馬の激走に期待するのだろうか。

「前走のGIII京都金杯(1月5日/京都・芝1600m)では、この馬らしく飛ばして逃げたものの、14着と大敗。レース後、鞍上の松若風馬騎手が『自分の競馬をしましたが、直線では手応えが残っていなかったですね』と振り返ったように、本来の粘りを発揮できなかったわけですが、それは単純に、休み明けによる影響が出たとも考えられます。

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