2020.02.19

フェブラリーSで「二刀流」GI馬へ。
モズアスコットの真価が問われる

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

「モズアスコットが勝った安田記念は、レコードタイ決着になったように、前半のペースが絶望的に速く、差し・追い込み馬に有利な展開となったうえ、マイル戦なのに、まるで1400m戦のようなレースになったんです。この流れが、モズアスコットに向いた。

 しかも直線で、行きたいところの進路がスパッと開いた。GI馬に『恵まれた』というのも失礼な話ですが、モズアスコットにとっては、すべてがうまくハマッたレースだった。だから、あのレースだけを例に挙げて、『マイル適性がある』とか『高い』とかは言えません」

 1400m戦の根岸Sから、マイル戦となるフェブラリーS。芝とダートの違いはあれ、GI本番で距離が1ハロン延びるという点は、スワンSとマイルCSの関係と同じ。もし専門紙記者が言うように、モズアスコットに距離の限界があるとしたら、フェブラリーSは決して楽な戦いにはならないだろう。

 それでも、専門紙記者によれば、微かな望みもあるという。

「ダート戦は1戦しただけですから、何とも言えませんが、モズアスコットのダート適性が我々の想像をはるかに超えている場合は、マイルの距離も楽々とこなしてしまう可能性があります」

 ダートのGIフェブラリーSと、芝のGI安田記念を勝った馬と言えば、アグネスデジタルを思い出す。そのアグネスデジタルの現役時代を知る、ある競馬関係者はこんなことを言っていた。

「アグネスデジタルは、走りの硬い馬で、『ようこれで芝が走れるなぁ』とよく言われたものでした。その走りっぷりは、モズアスコットとよく似ています」

 はたしてモズアスコットは、アグネスデジタルと同じく”二刀流”のGI馬になれるだろうか。