2歳王者コントレイルは「最高傑作」。矢作調教師「想像を超えていた」 (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

 注目度が増すなか、3戦目はホープフルSに出走。初戦でコンビを組んだ福永祐一騎手を背にして、好位4番手でうまく折り合ってレースを進めた。そして、3コーナーから4コーナーにかけて徐々に進出し、2番手で直線を迎える。                             

 その後は、再び手綱を持ったままで先頭へ。後続を寄せつけず、余裕しゃくしゃくのレースぶりを披露し、GIタイトルを手にした。さらに、GI朝日杯フューチュリティS(阪神・芝1600m)の覇者サリオスに大差をつけて、2歳王者(最優秀2歳牡馬)にも輝いた。

 能力の高さといい、レースぶりといい、クラシックへの不安がまったく見当たらないコントレイル。巷では、ディープ産駒の「最高傑作」と称され、はや三冠達成の期待までかかっている。

 まさしく世代を代表する「大物」と言える同馬について、管理する矢作調教師はどんな手応えを得ているのか。関西競馬専門紙のトラックマンがその様子を伝える。

「矢作調教師は、東スポ杯2歳Sのレースを振り返って、『ここまで強いとは思っていなかった。想像を超えていた』と話していますね。また、中山よりは東京向きのイメージを抱いていたようで、ホープフルSの前には『中山の芝2000mは向かない』とこぼしていたのですが、いざふたを開けてみたら、あの楽勝。あらためて、この馬の強さに驚かされたようです」

 トラックマンは続けて、矢作調教師が教えてくれたという、こんなエピソードを紹介する。

「矢作調教師によれば、コントレイルは育成期間に調教を積めない時期が半年近くもあったそうです。ゆえに、矢作調教師は『その期間がありながら、この強さだから、(秘めた能力は)相当なもの』と、絶賛していました。矢作厩舎では、GIを多数制したリスグラシューが引退。コントレイルが、同厩舎の次の"看板馬"になることは間違いないでしょう」

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る