有馬記念はドラマティック。引退馬2頭か実力3歳馬が劇的結末を呼ぶ (4ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

「こちらも、ここが引退レースとなるクロコスミアです。同馬を担当する西浦勝一厩舎の北添裕哉助手が、『いつもどおり元気いっぱい。まだまだやれると思います』と胸を張っています。その口ぶりからは、これまで積み上げてきた実績を踏まえての、大駆けの希望を見出していることがうかがえました。

 GIタイトルはないものの、GIエリザベス女王杯(京都・芝2200m)では、2017年~2019年まで3年連続2着。JRAの同一芝GIで、3年連続2着と好走したのは、史上初めてのことです。今回は、同じくラストランとなるアエロリットの出方がカギを握りますが、キャリアとともに、ハナでも、2番手でも競馬を進められる器用さが出てきた点は頼もしい限り。先行して、自分の形に持ち込むことができれば、粘り目もあるのではないでしょうか。

 4年前のデビュー戦では、398㎏しかなかった小型馬ですが、この5年間は半年以上休むことなく、毎年コンスタントにレースに出走。その間に、馬体重も50kg増やしました。着実に力をつけてきた牝馬の、最後の激走に期待したいです」

 アーモンドアイvsリスグラシューの牝馬対決に注目が集まるが、古豪牝馬の一発があっても不思議ではない。

 何はともあれ、2019年競馬界の総決算となる豪華な一戦。「ドリームレース」とも言われるとおり、誰もが大きな夢を見るレースでもある。その夢を叶えてくれる馬が、ここに挙げた3頭の中にいるかもしれない。

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る