有馬記念はドラマティック。引退馬2頭か実力3歳馬が劇的結末を呼ぶ (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

 無論、松田記者が狙うのは、好配当を生む復活劇である。

「狙いは、シュヴァルグランです。7歳以上の馬の成績は、過去10年で0勝、2着0回、3着1回、着外19回。馬券に絡んだのは、2009年に3着となったエアシェイディ(牡8歳)だけですが、この馬はまだやれると思っています。

 管理する友道康夫厩舎の安田晋司助手も、『(年齢的な)衰えもなく、上積みはあると思いますよ。動きも弾んできました。最後なので、いい走りを見せてほしい』とコメント。そう明るく話せるのも、過去3戦の敗因がはっきりしているからでしょう」

 過去3戦というのは、海外GIのキングジョージ6世&クイーンエリザベスS(6着。7月27日/イギリス・芝2390m)、同じく海外GIのインターナショナルS(8着。8月21日/イギリス・芝2050m)、そして前走のGIジャパンC(9着。11月24日/東京・芝2400m)である。

「3走前と前走は、苦手な道悪馬場でした。2走前は、距離不足によるもので、力負けというよりは、能力を出し切れずに負けた、と考えていいでしょう。

 昨年限りでの引退を撤回して臨んだ、今年初戦の海外GIドバイシーマクラシック(3月30日/UAE・芝2410m)では、2着と奮闘。スワーヴリチャード(牡5歳)、レイデオロ(牡5歳)らを蹴散らして、日本馬では最先着を果たしました。2017年ジャパンC優勝馬の地力は、ここでも通用するはず。今回は伏兵の域を出ませんが、侮ってはいけません」

 そう語る松田記者は、シュヴァルグランの有馬記念における実績も強調する。

「有馬記念には過去3回挑戦して、2016年が6着、2017年が3着、そして2018年も3着でした。最も内目の枠を引いたのが、2017年の10番枠。その他、不利な外枠でも常に好走を重ねてきました。典型的な叩き良化型で、前走後も順調。良馬場前提ではありますが、ハマれば一発あっても驚けませんよ」

昨年の有馬記念でも外枠発走ながら、3着と好走したシュヴァルグラン昨年の有馬記念でも外枠発走ながら、3着と好走したシュヴァルグラン

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