香港のGⅠ4レースに9頭の日本馬が参戦。その状態と本命・穴馬は?

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu

 今年は日本馬がもっとも多くの国外のレースに出走した1年だった。その総決算として開催されるのが、12月8日に中国・香港特別行政区の沙田競馬場で行なわれる香港国際競走だ。この日に行なわれる4つのGⅠレースに、今年は9頭の日本調教馬が挑戦。残念ながら遠征が予定されていたアーモンドアイは出発直前に回避となったが、昨年の4レースすべての勝ち馬が出走してくることもあって、熱い戦いが期待できる。

 今回は、現地で行なわれる4つの競走の日本調教馬の様子と、各レースの穴馬をお伝えしたい。

 最初に行なわれるのは「GⅠ香港ヴァーズ(芝2400m)」。フルゲートとなる14頭中、日本からはラッキーライラック(牝4歳)、ディアドラ(牝5歳)、グローリーヴェイズ(牡4歳)の3頭が参戦する。ディアドラは、今年は海外長期遠征中で、今年の4月以来のアジア圏でのレースとなる。

今年は海外でのレースが続いたディアドラ photo by AAP Image/AFLO今年は海外でのレースが続いたディアドラ photo by AAP Image/AFLO もっとも早く参戦を表明したのがグローリーヴェイズだ。今年1月のGⅡ日経新春杯(京都/芝2400m)を勝利し、続く4月のGI天皇賞・春(京都/芝3200m)でも2着と好走。ただ、出国前の最終追い切りで、想定よりも速いタイムで走ってしまった反動が気がかりだ。

 追加登録での出走となったラッキーライラックは11月30日に香港入り。その翌日、一緒に輸送されたほかの関西馬は軽めの運動だったのに対し、もう1周キャンターを行なった。意欲的な調教から、充実ぶりが見て取れる。

 ディアドラは11月30日にイギリスから到着。現地である程度調整が行なわれてきたようで、12月4日に芝で追い切ったという。その後、馬場入りを2日間見合わせているのは「やり過ぎないで」というジョッキーの進言とのこと。ただ、ここにきての距離延長(今年は1800m~2000mのレースに出場していた)には疑問符がつく。今年1年のチャレンジ精神を応援はしたいが、過剰な人気になるのであれば思い切って軽視したい。

 1番人気と目されているのは連覇を狙う地元のエグザルタント(せん5歳)。しかし、データ的に不利な大外14番枠を引いてしまったため、少し割引が必要だろう。代わって注目したいのが、プリンスオブアラン(せん6歳)、ヤングラスカル(せん4歳)、サザンレジェンド(せん7歳)の3頭だ。

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