阪神JFは「スター候補」が本命。
良血馬が強いレースで血統も万全だ

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Ito Yasuo/AFLO

 12月8日、阪神競馬場で2歳牝馬によるGⅠ阪神ジュベナイルフィリーズ(芝1600m)が行なわれる。

 このレースは以前、「阪神3歳S」の名称で行なわれていたが、1991年に牝馬限定戦となり、それから数えること29回目。今回参照するデータは、牝馬限定となってからの28回のものとなる。

 過去の勝ち馬の父馬を見ると、サンデーサイレンスとディープインパクトが3勝ずつで並ぶ。ただ、内訳はサンデーサイレンスの27頭に対し、ディープインパクトは17頭。勝率は17.6%と、サンデーサイレンス(11.1%)を大きく上回っている。

 今年、このレースに登録してきたディープインパクト産駒はリアアメリア(牝2歳/栗東・中内田充正厩舎)1頭。重賞勝ちを含む2戦2勝と、断然人気が予想される存在だ。

前走のアルテミスSで重賞初勝利を飾ったリアアメリア前走のアルテミスSで重賞初勝利を飾ったリアアメリア リアアメリアは何しろレース内容が圧巻。新馬戦(阪神/芝1600m)は大きく出遅れながら(川田将雅騎手によると、わざと出遅れさせた)、馬なりで徐々に進出。直線に入ってもムチどころかほとんど追うまでもなく、あっという間に後続を8馬身突き放す圧勝だった。

それから約5カ月ぶりとなった、前走のGⅢアルテミスS(東京/芝1600m)はプラス20キロと、大きく成長して登場した。この日もスタートは遅めで、道中は後方を追走。やや行きたがる面も見せたが、直線で大外に追い出されると、力強い伸び脚を見せて鮮やかに差し切った。

 着差は3/4馬身とそれほど大きくはなかったが、上がり3Fは33秒0という優秀な数字だった。デビュー2戦の大物感溢れる走りに、関係者の評価も極めて高く、アーモンドアイに続く"牝馬のスターホース"と期待もかけられている。今回は注目の一戦になりそうだ。

 リアアメリアは血統も優秀だ。母リアアントニアは、2013年の米GⅠBCジュヴェナイルフィリーズ(ダート8.5F)の勝ち馬。このレースは2位入線からの繰り上げだったが、翌年の米GⅠサンタアニタオークス(ダート8.5F)、米GⅠスピンスターS(ダート9F)でも2着に入る実力馬だった。

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