「クラシックに乗せたい」
池江厩舎が絶大な期待を寄せるヒメノカリス

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

厳選!2歳馬情報局(2019年版)
第27回:ヒメノカリス

 有望な牝馬が数多く登場している今年の2歳戦線。GIIIアルテミスS(東京・芝1600m)を圧勝したリアアメリアをはじめ、GIII新潟2歳S(新潟・芝1600m)を制したウーマンズハート、新馬、1勝クラスと連勝を飾ったアヌラーダプラなど、今後が楽しみな逸材がズラリとそろう。

 そんななか、これまた前評判の高い2歳牝馬がまもなくデビューを迎えようとしている。栗東トレセンの池江泰寿厩舎に所属するヒメノカリス(牝2歳/父ディープインパクト)である。

ヒメノカリスの全兄アルアインヒメノカリスの全兄アルアイン 同馬の兄は、同じ厩舎に所属するアルアイン(牡5歳/父ディープインパクト)。2016年の秋にデビューすると、新馬、500万下(現1勝クラス)特別と連勝し、続くGIIIシンザン記念(京都・芝1600m)こそ6着に沈むも、その後に挑んだGIII毎日杯(阪神・芝1800m)を勝って、重賞ホルダーとなった。

 さらに、その勢いに乗って3歳クラシック初戦のGI皐月賞(中山・芝2000m)で戴冠を果たした。距離延長を不安視されて9番人気と伏兵扱いだったが、先行策からしぶとく伸びて、強豪ライバルたちを一蹴。GIタイトルを手にした。

 以降、GI、重賞戦線で奮闘。勝ち星には恵まれなかったものの、常に安定した走りを見せて、掲示板(5着以内)を外すことは少なかった。4歳時にも、GI大阪杯(阪神・芝2000m)や、GIマイルCS(京都・芝1600m)で3着と健闘している。

 そして、5歳となった今年、大阪杯で2度目のGI制覇を遂げた。この時も、9番人気の低評価を覆しての激走だった。

 そんなGI2勝の兄を持つヒメノカリス。母ドバイマジェスティもアメリカのGI馬という良血ゆえ、管理する池江厩舎での評価も相当高い。その様子を関西競馬専門紙のトラックマンが伝える。

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