ジャパンCは世界の名手が集うも、狙いは主戦の日本人騎手鞍上の2頭 (3ページ目)

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro

 今年は外国馬がいない代わりに、乗り役のほうは非常に国際的で豪華です。しかしその分、大半の馬は乗り替わりとなります。その点、ユーキャンスマイルは、岩田康誠騎手とコンビを組み続けているのが強み。世界の名手たちの美技も楽しみですが、今回はユーキャンスマイルと岩田騎手の、熟練の信頼関係による飛躍を期待しています。

 やや頼りないとはいえ、ワグネリアンも2歳の時から気にかけてきた馬。この舞台での反撃には、期待せざるを得ません。今回は、主戦の福永祐一騎手が騎乗停止となったため、川田将雅騎手に乗り替わりとなりました。なかなかひと押しが利かない近況を考えると、このタイミングでの乗り替わりによって、新たな面を引き出すことができれば、復活への足掛かりになる可能性はあります。

 先週のGIマイルCSでも、福永騎手から池添謙一騎手に乗り替わったインディチャンプが優勝。今週も、同じように乗り替わりが刺激になれば、同厩舎、同オーナーの馬によるワンツーフィニッシュという快挙が見られるかもしれません。

 さて、昨年のジャパンCは、3歳牝馬のアーモンドアイが圧倒的な人気となり、2、3着に4歳牡馬のキセキとスワーヴリチャードが食い込むという結果になりましたが、今年のメンバーを見て、「逆の展開があるのではないか」と閃きました。

 つまり、3歳牝馬のカレンブーケドールが2、3着に食い込んで好配当を演出――そんなシーンがふいに頭に浮かんだんです。そこで、唯一の3歳馬で、唯一の牝馬であるカレンブーケドールを、今回の「ヒモ穴」に取り上げたいと思います。

「レースがうまい」カレンブーケドールの一発に期待「レースがうまい」カレンブーケドールの一発に期待 3歳牝馬がジャパンCを勝つとなると、それこそアーモンドアイやジェンティルドンナといった三冠牝馬クラスの能力が求められます。しかし、2、3着争いなら、カレンブーケドールの立ち回りのうまさがあれば、可能と見ています。

 この馬のいいところは、どのレースでも勝負になるポジションに、ぴったりと収まることができること。さらに、最後まで気持ちを切らさずに伸びてくる堅実さ。「レースがうまい」とは、まさにこういう馬のことを言うのでしょう。

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