ジャパンCは世界の名手が集うも、狙いは主戦の日本人騎手鞍上の2頭 (2ページ目)

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro

"古馬三冠"1戦目となるGI天皇賞・秋(10月27日/東京・芝2000m)では、近年まれに見る最高レベルのメンバーがそろったのですが、その天皇賞・秋からジャパンCに参戦するのは、わずか4頭。天皇賞・秋で上位を争ったアーモンドアイ、ダノンプレミアム、アエロリット、サートゥルナーリアといった面々は、ほかのレースに回ってしまいました。

 そのほか、GI凱旋門賞に出走したキセキ、3歳牡馬クラシックで活躍したダノンキングリーやワールドプレミア、そして特別登録していたものの、香港に向かうことになったオークス馬ラヴズオンリーユーなど、出走すれば人気になっていたはずの馬たちがこぞって不参加。結果、今年は「本命」と呼べる馬のいない混戦模様となっています。

 そんななかで、やや押し出されるようにして人気になりそうなのが、レイデオロ(牡5歳)とワグネリアン(牡4歳)という2頭のダービー馬。ダービーと同じ東京・芝2400mが舞台となりますから、復活を期待する声が多いのは納得できます。しかし、勝ち負けに加われていないここ最近の結果を考えると、絶対的な信頼は置けないなと思っています。

 それらに代わって、ここで一気にGI獲りのチャンスが巡ってくるのではないかと期待しているのが、ワグネリアンと同じ友道康夫厩舎の管理馬で、勝負服も同じユーキャンスマイル(牡4歳)です。

 デビューした時から常にそつなく走っていて、左回りも得意する同馬ですが、個人的に「この馬は強い」と感じたのは、2走前のGIII新潟記念(9月1日/新潟・芝2000m)でした。

 休み明けのうえ、ずっと長距離を走っていたところからの、一気の距離短縮。条件としては、かなり厳しかったと思うのですが、そのレースを勝ち切ったことに大きな意味を感じています。

 また、前走の天皇賞・秋は、時計が速くて、結果的に好位にいた馬が1~3着を占めました。そうした状況にあって、ユーキャンスマイルは後方からメンバー最速の上がりを駆使しての4着。勝ったアーモンドアイは別格としても、2着ダノンプレミアム、3着アエロリットとはクビ+クビ差の接戦でしたから、今回のメンバーなら勝ち負けを演じる力は十分にあるはずです。距離も、2000mより2400mのほうが合っているでしょうから、余計に希望が膨らみます。

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