スランプに陥ったダービー馬レイデオロ。ジャパンCでの復活はあるか (3ページ目)

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

 レイデオロの東京での戦績は、4戦3勝、2着1回。3勝のうち、GIが2勝。2着に負けたレースも、3歳時に挑戦したジャパンCで、勝ったシュヴァルグランには屈したが、当時「現役最強」と言われたキタサンブラックには先着している。それだけ相性のいい舞台に変われば、一変があってもおかしくない。

「たしかに、精神的なダメージを負った馬が、何かのきっかけで自信を取り戻すということは、稀(まれ)にあります。レイデオロにとって、メンバーに恵まれて、しかも得意な東京で行なわれる今回のジャパンCが、そのきっかけになっても不思議ではありませんね」

 前出の専門紙記者もそう語る。

 思い出すのは、2014年のエピファネイアである。

 デビュー以来、「大物」と言われ、3歳時には三冠最後のGI菊花賞(京都・芝3000m)を見事に制した。しかし、4歳になると振るわず、当時まだGIIだった大阪杯(阪神・芝2000m)で3着に敗れ、香港に遠征して臨んだ国際GIクイーンエリザベス2世C(香港・芝2000m)でも4着に屈した。

 その後、天皇賞・秋では4番人気まで評価を落とし、結果も6着に終わった。さすがに「もうダメか」という声が大勢を占め始めるなか、続くジャパンCでもさらにオッズを落としての4番人気にとどまった。

 だがそこで、エピファネイアがついにうっ憤を晴らす。なんと、2着ジャスタウェイに4馬身もの差をつける圧勝劇を演じたのだ。

 この時のエピファネイアと、今のレイデオロの有り様が、どことなく重なる感じがする。

 歴史は繰り返す――その予感が、日に日に増している。

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