マイルCSの歴史、舞台、展開...を読み切った穴党記者が推す3頭の穴馬 (3ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO


展開を味方にして一発を狙うマイスタイル展開を味方にして一発を狙うマイスタイル「1頭は、スワンS3着のマイスタイル(牡5歳)です。GIII函館記念(7月14日/函館・芝2000m)からの参戦で、600mの距離短縮となりましたが、うまくレースに対応。道中は中団やや前方に位置し、勝負どころから追い上げて、直線は外から抜け出しを図ります。そのさらに外から、2着モズアスコット(牡5歳)と、1着ダイアトニック(牡4歳)が猛追してくるなか、この馬らしいしぶとさを発揮して、ハナ+クビ差の3着なら、上出来でしょう。

 折り合い面も問題なく、1ハロンの延長と、前に行く馬が少ない組み合わせなら、主導権を握ることも可能です。(前走から)詰まった間隔ながら、1週前の追い日にはウッドチップコースで意欲的な調整を施され、叩き2走目の上積みが見込める点も強調材料になります。適度に時計のかかる舞台設定も合っており、メンバー強化でも連続好走の期待は高まるばかりです」

 吉田記者が推すもう1頭は、古豪グァンチャーレ(牡7歳)だ。

「スワンSは5着でしたが、久々ということもあって、攻め気配も地味でした。この馬らしい闘争心を、多少欠いていたのは事実です。そのため、中団からじっくりと構えていましたが、4コーナーから直前入口にかけて進路がなくなり、追い出しが遅れてしまったことも誤算でした。

 ともあれ、長く(アクセルを)踏んでいって、しぶとく脚を使ってこそのタイプですから、前走の敗戦にショックはありません。一度使ったことで素軽さが増し、状態アップは確実。強力なメンバーが集った今春のGI安田記念(6月2日/東京・芝1600m)で、勝ち馬インディチャンプ(牡4歳)からコンマ2秒差の4着だった実力を侮ってはいけません。

 各馬の出方によっては、前付けで主導権を握る形も考えられ、差し・追い込み勢が多い組み合わせのなか、粘り込みも十分にあり得ます。得意の京都で、波乱の立役者になる可能性は大いにありそうです」

 マイル戦を得意とする実力馬が勢ぞろいした一戦は、最後の直線で熾烈な争いが繰り広げられることは必至。そうした状況のなか、クビ差、あるいはハナ差か、わずかに先着して高配当をもたらす馬が、ここに挙げた3頭の中にいても不思議ではない。

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