フィエールマンの妹、ルーツドール。調教師は「能力は高い」と太鼓判

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

厳選!2歳馬情報局(2019年版)
第25回:ルーツドール

 秋のGIシリーズがいよいよ再開。さらなる盛り上がりを迎えるなか、2歳戦線でも注目の良血馬、期待馬が次々にデビューしている。

 栗東トレセンの藤岡健一厩舎に所属するルーツドール(牝2歳/父ジャスタウェイ)も、初陣を間近に控えた話題の1頭である。

兄フィエールマンに続く活躍が期待されるルーツドール兄フィエールマンに続く活躍が期待されるルーツドール 彼女に注目が集まるのは、偉大な兄の存在があるからに他ならない。その兄とは、現役トップクラスの実績を持つフィエールマン(牡4歳/父ディープインパクト)だ。

 フィエールマンは昨年1月、3歳になってデビューすると、新馬、500万下(現1勝クラス)特別と連勝を飾った。その後は、体質面の弱さなどもあり、春のクラシックには挑めなかったものの、およそ3カ月ぶりとなるGIIIラジオNIKKEI賞(福島・芝1800m)で2着と奮闘。4コーナー13番手という位置から強烈な追い込みを見せて、あらためて能力の高さを証明した。

 そして、圧巻だったのは、次走のGI菊花賞(京都・芝3000m)。前走から約3カ月半ぶりという異例のローテーションながら、見事な勝利を飾ったのである。

 道中は、中団のやや前方に控えたフィエールマン。直線に入って馬群に包まれるも、前が開くと鮮やかな伸び脚を披露した。先に抜け出した2番人気のエタリオウを内から捉えると、最後はハナ差先着して激戦を制した。

 4歳となってからも、GIIアメリカジョッキークラブC(中山・芝2200m)こそ2着に敗れるも、続くGI天皇賞・春(京都・芝3200m)で再び強さを発揮。グローリーヴェイズとの叩き合いをクビ差で制して、2つ目の勲章を手にした。

 こうして、現役トップクラスの実力を示すと、夏のGII札幌記念(3着。札幌・芝2000m)を挟んで、秋には世界最高峰のレース、GI凱旋門賞(フランス・芝2400m)に挑戦した。結果は12着。慣れない馬場で、世界の強豪馬相手には振るわなかったものの、今後の活躍がまだまだ期待される1頭だ。

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