危うい1番人気。エリザベス女王杯は穴党記者が囁く4頭に激走の予兆 (3ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

 一方、中日スポーツの大野英樹記者は、日本人騎手とコンビを組む馬に期待を寄せる。藤岡佑介騎手が手綱を取るクロコスミア(牝6歳)である。

「過去10年で6歳以上は0勝。データ上は苦戦でも、穴馬にオススメしたい1頭です。なにしろ、このレースでは2年連続で2着。いずれも9番人気の低評価にあっての激走ですからね。昨年は、一旦完全に抜け出すレースぶりを披露。最後はリスグラシューの決め手に屈しましたが、内容は濃いものがありました。

 前走の府中牝馬Sでは5着でしたが、その粘り腰には、まったく衰えは感じられませんでした。同馬を管理する西浦勝一調教師も、『厳しい展開だったのに、よく踏ん張ってくれた。ここ(エリザベス女王杯)が楽しみになった』と話していましたし、私自身もそう思います。

 騎乗予定だった戸崎圭太騎手が負傷して乗り替わるという不運はありましたが、藤岡佑騎手なら、問題ありません。前での競馬にも頼り甲斐があります。今年も、クロコスミア持ち前の粘り強さに期待したいです」

 大野記者ももう1頭、推奨馬を上げる。

サトノガーネット(牝4歳)です。超大穴として、注視しています。前走の府中牝馬Sでは8着に終わりましたが、出走メンバー2番目の上がり33秒7をマーク。その末脚は侮れません。敗因は距離不足でしょうから、そこから距離が延びる今回は、一段と楽しみです。

 2200mという距離になって、強力な先行馬も不在。スローペースが予想されます。そうなると、前が優位に見えますが、追走が楽になる分、早めに前を射程圏に入れることできる後方勢にとっても、有利に働くことがあります。ここで、切れ味を存分に発揮するサトノガーネットの姿に、一発の期待をしたくなります」

 荒れるGIの"定番"とも言えるエリザベス女王杯。GIシリーズの資金を増やしてくる波乱の使者が、ここに挙げた4頭の中にきっといる。

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