2億円の高額馬サトノフウジンは「兄と違いスピードの絶対値が高い」 (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

 そんなギベオンの全弟となるサトノフウジン。トレセンにおける調整や追い切りからは、兄とは違った面が出ているそうだ。その様子を間近で見ている厩舎スタッフの評価を、関東競馬専門紙のトラックマンが伝える。

「兄のギベオンは、中団から末脚を発揮するタイプで、距離はマイルから2000mくらいまで幅広く対応しています。一方、サトノフウジンは兄とは違って、とにかくスピードの勝ったタイプのようです。『マイル以下の距離で、先行して押し切るようなレースが向いているのではないか』と、スタッフは見ていますね」

 なお、調教では併せた相手から遅れを取ることもあったが、それについても陣営は、ネガティブには捉えていないという。前出のトラックマンがその真意を明かす。

「サトノフウジンは、他馬と併せて気合が入るタイプではないようで、調教の遅れは馬の性格面が出ているみたいです。『バテているわけではない』とスタッフも言っていました。レースに向けては、『スピードの絶対値は高いものがあるので、前に行って、どこまで粘れるか』とのこと。調教過程は至って順調で、大きな不安はありませんね」

 デビュー戦は、10月26日(土)の2歳新馬(東京・芝1600m)を予定。鞍上は、川田将雅騎手が務める。

 アメリカGI2勝の母の血を受け継ぎ、スピード豊かなサトノフウジン。その馬名どおりに、颯爽とターフを駆け抜けていくのか。初陣での走りっぷりを楽しみにしたい。

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