菊花賞は春の実績馬が手薄。夏の上がり馬2頭に一発チャンスが膨らむ (3ページ目)

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro

 でも、菊花賞というレースが合うかどうかと考えると、あまりいいイメージが持てない、というのが正直なところです。3000mを走るスタミナ自体はあると思いますが、京都の外回りコースだと、脚の使いどころが難しいのではないか? という印象が拭えません。好走したレースでは、センスのよさや一瞬のキレを生かしてきた馬ですからね。

 その他、トライアルから菊花賞に臨む馬で気になるのは、神戸新聞杯3着のワールドプレミア(牡3歳)でしょうか。

 その前走の神戸新聞杯、結果だけ見れば、上位2頭に完敗したと言えますが、鞍上の武豊騎手はレース中から同馬の脚を測りながら乗っているように見えました。最後はしっかり3着に押し上げて出走権を得ましたし、上がりはサートゥルナーリアと並ぶ32秒3。菊花賞を見据えながらの競馬という意味では、収穫のある内容だったと思います。

 今回は、武豊騎手も勝ち負けを意識して乗るでしょうし、春は故障で大きなレースに出られなかっただけ。能力そのものは、世代でも上位と見込んでいる馬です。距離は違いますが、京都の外回りコースでは2戦2勝の実績もありますから、楽しみな存在と言えますね。

 菊花賞と言えば、いわゆる夏の上がり馬にも、注視する必要があります。とりわけ今年は春の実績馬が手薄ですから、余計にチャンスがあると考えていいと思います。

 ということで、今回は夏競馬の条件戦を勝ち上がってきた馬たち、なかでもとくに内容がよかったホウオウサーベル(牡3歳)とヒシゲッコウ(牡3歳)の2頭を「ヒモ穴馬」に取り上げたいと思います。

 ホウオウサーベルは東京→新潟、ヒシゲッコウは函館→札幌と、ともに1勝クラス、2勝クラスを突破してきた馬です。2頭はタイプこそ違いますが、非常にいい勝ち方をしていて、甲乙つけ難い存在です。ですから、今回は「ヒモ穴馬」を2頭にさせてもらいました。

前走、5馬身差の圧勝劇を披露したホウオウサーベル前走、5馬身差の圧勝劇を披露したホウオウサーベル

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