京都大賞典は例年の傾向から一変。好位から粘り込める3頭が狙い目だ (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

「今年のメンバーには、確たる逃げ馬が存在しないため、スローペース必至の状況。上がり勝負もあり得ますが、ここは自分から動けるダンビュライトの自在性に期待が持てます」

 GIではやや力不足でも、GII2勝のダンビュライト。たしかに、勝ち負けを演じる力は存分に秘めている。大野記者が続ける。

「(ダンビュライトは)切れるタイプではありませんが、バテずにしぶとく伸びてくるのが持ち味。外を回される競馬になって、力を出し切れなかった前走のGI大阪杯(9着。3月31日/阪神・芝2000m)はともかく、2走前のGII京都記念(1着。2月10日/京都・芝2200m)のように、好位から積極的な競馬ができれば、ここでも大差はないと思います。

 現に、京都はなだれ込みが利きやすいコース。鞍上の松若風馬騎手も、この馬の特性を理解しているでしょうから、早め先頭で押し切る形を選択してくるはずです。

 およそ半年ぶりの実戦になりますが、1週前の追い切りでは、坂路コースで4ハロン50秒7と好時計をマーク。動きは文句なく、態勢は整っています。ここでは、重賞2勝の実績を信頼してもいいでしょう」

 デイリースポーツの大西修平記者も、前目の競馬から粘り込み狙う馬が波乱を呼ぶと見て、まずはノーブルマーズ(牡6歳)の名前を挙げた。

「前走のGIII小倉記念(8月4日/小倉・芝2000m)でも3着に粘ったように、自分のリズムで運べれば、コースを問わず、いい脚を長く使えるタイプです。重賞勝ちはないものの、昨年のGI宝塚記念(阪神・芝2200m)では3着と好走。このメンバーに入っても、格負けすることはありません。

 前走後は短期放牧に出て、帰厩後の調整も順調そのものです。本来は使いつつ上向くタイプですが、今回は(前走から)そこまで間隔が空いているわけでもないので、十分に力を発揮できると思います」

 今回と同じ舞台で行なわれた年明けのGII日経新春杯(4着。1月13日/京都・芝2400m)では、グローリーヴェイズ(1着)に敗れている。その点、大西記者はどう見ているのだろうか。

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