スプリンターズSで「2強」を
脅かすのは、馬場を味方にできる快速馬

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro

 鞍上と言えば、クリストフ・ルメール騎手が、騎乗予定だったグランアレグリアが出走を回避したことで、タワーオブロンドンに乗る形になりました。これで、人気を分ける2頭に、リーディングを争う2人のジョッキーが騎乗する形となり、今年は"本命戦"になりそうな気配がします。

 では、この2頭を脅かすような存在はいるのか。可能性があるとすれば、この秋の中山の馬場の、恩恵を受けられる馬になると思います。

 面白いのは、逃げ切りでGI制覇を狙うモズスーパーフレア(牝4歳)でしょうか。今年のスプリンターズSでは、この馬を「ヒモ穴馬」に取り上げたいと思います。

今の中山の馬場を味方にして、一発を狙うモズスーパーフレア今の中山の馬場を味方にして、一発を狙うモズスーパーフレア 先にも触れましたが、現在の中山の芝コースは、先行馬、とくに最内をぴったりと回ってくる逃げ馬が大いに活躍しています。それを思えば、モズスーパーフレアに目がいくのは、当然のことと言えるでしょうね。

 モズスーパーフレアは、年明けのオープン特別・カーバンクルS(1月5日/中山・芝1200m)で、前半32秒8、後半34秒2、トータル1分7秒0。続くGIIIオーシャンS(3月2日/中山・芝1200m)でも、前半32秒3、後半34秒8、トータル1分7秒1と、いずれも普通なら「大暴走」と言われるようなペースで逃げ切り勝ちを収めています。

 今回は、イベリス(牝3歳)、マルターズアポジー(牡7歳)といった逃げ馬もいますが、2頭ともスプリント戦ではモズスーパーフレアが刻むラップには追いつけないと思います。鞍上の松若風馬騎手が迷うことさえなければ、単騎逃げでいけるのではないでしょうか。

 復帰戦となったGIII北九州記念(4着。8月18日/小倉・芝1200m)に、プラス26kgという余力を残して出てきたこと、加えて逃げずに競馬をしたことから、今回のGIを本気で獲りにきた印象を受けました。勝てば、人馬ともに初めてのGIタイトルとなります。

 僕がカルストンライトオで勝った2004年は、不良馬場で1分9秒9という遅いタイムでしたが、もしモズスーパーフレアの逃げ切りが叶ったとしたら、その時は驚異的なレコードタイムが生まれるかもしれません。楽しみです。

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