スプリンターズSは今年も荒れる。
穴党記者が推す自信の「穴馬4頭」

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 そして、松田記者はもう1頭、ベテランのレッツゴードンキ(牝7歳)を推奨する。

「この馬も、展開次第ではまだ上位に顔を出せます。今春は、高松宮記念が6着、GIヴィクトリアマイル(5月12日/東京・芝1600m)が10着と、強豪相手に結果を出すことができませんでしたが、2戦とも上がりは33秒台前半をマーク。全盛期より行きっぷりは鈍くなっているものの、スプリンターズSでは一昨年2着、昨年も5着と健闘しており、急坂を苦にしない脚力はいまだ健在です。

 7歳を迎えても、1週前の調教ではかかる面を見せるなど、闘志に衰えは見られません。熟女の一発を、警戒したほうがいいと思いますよ」

 一方、吉田記者がまず狙うのは、イベリス(牝3歳)だ。

「セントウルSが最重要ステップレースであることは間違いありません。同馬はそのレースにおいて、勝ったタワーオブロンドンにあっさりと突き放された印象が強いですが、3着に屈したのは、外にいたミスターメロディとのしのぎ合いが堪えたように見えました。4角でフタをされ、その後も進路を巡ってぶつかり合いながらの競馬でした。それでも、そのやり合ったGI馬をねじ伏せて、2着争いを演じた内容は高く評価していいでしょう」

 今春のGIIIアーリントンC(4月13日/阪神・芝1600m)は逃げ切り勝ちだったが、セントウルSでは好位からの競馬で好走したイベリス。レース運びにおいて、幅が広がった点も好感が持てる。

「このレースに向けて、この秋の調教では、道中は馬の後ろで我慢させ、直線で持ち前の切れ味を発揮させて、僚馬を一瞬でかわす稽古を施してきました。セントウルSでは、その効果がしっかりとレースに結びついて、今までにないタメる競馬で結果を出しました。それは、3歳馬の絶大なる伸びしろ、と判断していいでしょう。その後も同様の稽古で、超抜の動きを見せています。53㎏で出走できる今年こそ、栄冠を手にする最大のチャンスと言えるのではないでしょうか」

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