スプリンターズSは今年も荒れる。穴党記者が推す自信の「穴馬4頭」

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 いよいよ秋のGIシーズンが到来。第1弾は、電撃の6ハロン戦となるGIスプリンターズS(9月29日/中山・芝1200m)だ。

 目下、短距離戦線は群雄割拠の様相にある。「春のスプリント王決定戦」となるGI高松宮記念(3月24日/中京・芝1200m)は、ミスターメロディ(牡4歳)が制しているものの、戦前の評価では、GIIIキーンランドC(8月25日/札幌・芝1200m)を制したダノンスマッシュ(牡4歳)や、同レース2着で、前哨戦のGIIセントウルS(9月8日/阪神・芝1200m)を圧勝したタワーオブロンドン(牡4歳)のほうが上。しかしながら、それら2頭も時に取りこぼしがあって、決して盤石とは言えないからだ。

 要するに、現在のスプリント戦線は、馬の状態、レースの流れや展開によって、何が上位に飛び込んでくるかわからない。思わぬ穴馬が台頭することも十分に考えられ、今回のスプリンターズSは、穴党にとっては垂涎のレースと言えるかもしれない。

 実際、デイリー馬三郎の吉田順一記者は、今回も人気2頭には「不安がある」と言う。

「タワーオブロンドンは、セントウルSを1分6秒7のレコード勝ち。出遅れながらも馬込みで我慢し、余力十分で抜け出しての完勝でした。ただ同レースでは、自分より内の馬がすべて前付けしてくれたことで、ポジションが取りやすかったことが有利に働きました。

 それが今回は、GIIからGIとなり、頭数も増えることから、各馬の当たりや競り合いも厳しくなると想定されます。そうなると、発馬に不安があるタワーオブロンドンのことを、前走の勝ちっぷりだけで『王者』と呼ぶのはまだ早急かと思います。

 また、ダノンスマッシュは、持ち時計が1分7秒5。1分7秒台前半から1分6秒台の持ち時計を持つ馬がズラリとそろうなか、心許ない印象があります。つまり、人気2頭はともに、全幅の信頼を置くまでには至りません」

 まさしく波乱に満ちた「秋のスプリント王決定戦」。その行方を占うことは非常に難解なものとなるが、今年はレース予想の前に頭に入れておくべきポイントもある。それは、異常な高速決着、先行勢有利が続いている中山・芝コースの現状だ。その点について、日刊スポーツの松田直樹記者はこう語る。

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