コース適正も血統も抜群。スプリンターズSは牝馬2頭で決まり (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Ito Yasuo/AFLO

 もう1頭、このコースを得意としているのがディアンドル(牝3歳/栗東・奥村豊厩舎)で、昨年のOPクリスマスローズSなど2戦2勝。この馬は今年5月、3歳限定重賞の葵S(京都・芝1200m)を勝利。前走の北九州記念で2着に敗れて連勝が5でストップしたが、7戦5勝、2着2回と、極めて安定した成績を残している。

 スプリンターズSでの3歳牝馬の優勝は、1992年2番人気のニシノフラワー(馬齢の表記が変更される前)、2007年3番人気アストンマーチャンの過去2回。そのほか、2016年ソルヴェイグが9番人気3着、昨年のラブカンプーが11番人気2着と好走している。この4頭は、すべて前走では敗れており、アストンマーチャンも北九州記念6着からの参戦だった。ディアンドルの臨戦過程もとくに問題はなさそうだ。

 父ルーラーシップは菊花賞馬キセキなどの父であり、スプリンターの本馬は珍しい存在だが、父系を遡ればモズスーパーフレアと一緒で、ミスタープロスペクター系という血統。この秋、ルーラーシップ産駒はパッシングスルーがGⅢ紫苑S(中山・芝1800m)、リオンリオンがGⅡセントライト記念(中山・芝2200m)を勝つなど中山で好成績を残している。それらに続けるか注目だ。

 以上、今年のスプリンターズSは、ミスタープロスペクター系の牝馬2頭に注目したい。

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