穴党記者が京成杯AHを徹底分析。開幕週でも狙いは末脚自慢の4頭だ (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 さらに、ストーミーシーは中山・芝1600mが舞台の重賞で好走を繰り返しています。2016年のGIIニュージーランドトロフィーでは、ハナ差の2着。2018年のGIIIダービー卿チャレンジトロフィーでは、勝ち馬からコンマ2秒差の3着でした。昨年のこのレースも、着順は7着でしたが、勝ち馬とはコンマ4秒差と僅差の勝負を演じています。一発を期待したいですね」

重賞初制覇を狙うプロディガルサン重賞初制覇を狙うプロディガルサン 松田記者はもう1頭、プロディガルサン(牡6歳)にも目を向ける。全兄にリアルスティール、全妹にはオークス馬のラヴズオンリーユーがいる良血馬。同馬も初の重賞タイトルがほしいところだろう。

「プロディガルサンは、抜け出すと走るのをやめてしまったりする、難しい気性の持ち主ですが、血統的にも素質が高いのは確かです。勝ち味に遅いのも気になりますが、ペースが流れるマイル戦のほうが集中力は持続できます。

 6着に終わった前走のGIIIエプソムC(6月9日/東京・芝1800m)は、同馬にとっては、速すぎる上がりを求められる不運に泣きました。2走前、3走前に2着となったように、後方勝負にかければ、今回は展開がハマってもおかしくありません。ハンデ55㎏というのもいいですし、楽しみな存在です」

 翻(ひるがえ)って、デイリー馬三郎の吉田順一記者は、このレースの行方を占ううえで「目安となるポイントがひとつある」と言って、こう語る。

「ひとつのポイントというのは、前半3ハロンのラップがどれぐらいになりそうか、それを見極めることです。それによって、全体時計が2~3秒、変わってきますから。

 そして今年のメンバーでは、道中は折り合い重視で、終(しま)いの脚を生かしたい馬が多く、引き締まったラップにはならない見立てとなります。ということは、全体時計はあまり速くならず、勝ち負けを演じるには、どれだけ鋭い切れ味が使えるか。仕掛けひとつでは、前が残ることも考えておきたいです」

 そんな吉田記者が最初の名前を挙げたのは、ディメンシオン(牝5歳)だ。

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