100万馬券が続出。北九州記念は人気の盲点となる差し馬2頭を狙え

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 夏の小倉のスプリント重賞、GIII北九州記念(小倉・芝1200m)が8月18日に行なわれる。同レースは、夏競馬屈指の「大荒れ重賞」として知られている。

 なにしろ、2006年から現在の1200m戦になって以降、13年間で1番人気はわずか1勝。さらに、2着も2回、3着も2回しかなく、馬券圏内(3着以内)に半分も入ることができていないのだ。

 2番人気も同様の戦績で惨憺たるもの。代わりに、6番人気以上の伏兵馬がなんと9勝も挙げている。その結果、3連単では過去13年で100万円超えの高配当が3度も出ている。99万7220円という配当をつけた2012年も加えれば、100万馬券が飛び出す確率が3割以上あるということだ。

 こうした状況については、デイリー馬三郎の木村拓人記者も苦笑い。「強い馬がいる時は、『あっさりと勝ってしまうだろう』と思いながらも、意外と勝てないことが何年も続いている感じがしますね」と話す。そして、同レースの傾向について、こう分析する。

「毎年荒れる重賞なんですが、どんな人気馬が危険で、どんな穴馬が来るのか、一貫性がないんですよ。強いて言えば、基本は差し馬。今年も、モズスーパーフレア(牝4歳)が飛ばす展開になるでしょうから、差し馬から狙うのがセオリーだと思います。(出走メンバーの)力差がない場合、馬群をさばいてくる形よりは、大外をぶん回してでも、スムーズに加速できるほうが有利になりますからね。あとは、枠順も外のほうがいいと思います」

 そうした傾向にあって、今年のレースで人気を集めそうな面々はどうか。現在4連勝中のミラアイトーン(牡5歳)と、5連勝中のディアンドル(牝3歳)については、日刊スポーツの太田尚樹記者が「死角あり」と見ている。

「2頭ともまだ、一線級との対戦がないんですよね。それに、今回は小回りの1200m戦で、フルゲートの18頭立て。そう簡単に実力を発揮することはできないと踏んでいます」

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