波乱ムードの関屋記念。
絶好調ジョッキーが人気急落馬を勝利に導く

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 厳しい暑さが続いていますが、今週も札幌、新潟、小倉の各会場で夏競馬が開催されます。新潟の競馬を見ていると、テレビ画面を通しても陽炎が揺らめいていて、相当な酷暑なのだろうな、と心配になってしまいます。人馬ともに体調を崩すことのないよう、願っています。

 そうは言っても、夏競馬はここからさらに盛り上がっていきます。来週には、夏競馬最大のレースであるGII札幌記念(8月18日/札幌・芝2000m)が控えていますし、その先には来年のクラシックを占う2歳重賞が各会場で行なわれます。僕も、夏バテなどしてはいられません。

 さて、新潟開催3週目に行なわれる重賞は、GIII関屋記念(8月11日/新潟・芝1600m)。先月行なわれたGIII中京記念(7月12日/中京・芝1600m)に続く、サマーマイルシリーズの第2戦です。

 昨年は、プリモシーンが3歳馬として22年ぶりの勝利を収めました。同馬は、今年に入ってGIヴィクトリアマイル(東京・芝1600m)で2着に好走するなど、しっかりと活躍し続けています。3歳夏に、古馬相手に重賞を勝ったことは伊達ではありませんでしたね。

 そのプリモシーンは、中京記念に出走して3着でした。勝ったのは、3歳馬のグルーヴィット。2着も同じく3歳馬のクリノガウディーでした。僕が現役だった頃と比べて、3歳馬が早い時期から古馬と互角以上に渡り合えるようになっている感じがします。

 そして今年も、3歳が1頭、関屋記念に出走します。ケイデンスコール(牡3歳)です。前走のGI NHKマイルC(5月5日/東京・芝1600m)で2着と好走した実績に加えて、中京記念で3歳馬がワンツーフィニッシュを決めたことで、人気を集める存在になることは間違いないでしょう。

 しかし僕は、今回のケイデンスコールに関しては、あまり高く評価はしていません。というのも、NHKマイルCに関しては、鞍上が本当にうまく乗っていて「よくあそこまで持ってこられたな」と思いましたし、展開なども含めて、すべてがうまくいった結果だと思うからです。

 実績のある新潟コースに替わるという強調材料もあって、あまり無下に扱うのもどうかと思っていますが、能力的に見て、古馬との初対戦で通用するかどうかは微妙なところ。この馬が人気になるのなら、他の馬からのほうが馬券的にも旨味があって、チャンスがあるような気がします。

 そこで、今年の関屋記念では、夏競馬らしく勢いのある"上がり馬"に注目しています。

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