ディープインパクトの大成秘話。忘れられない牧場スタッフのひと言 (3ページ目)
しかし、みんなが"待った"。
いつか、機は熟す。その時を信じて、待った。
「今思えば、あの時、みんなが"待った"ことが、ディープインパクトをあれだけの馬にしたのかもしれません」
牧場スタッフがしみじみと言ったそのひと言が、筆者は今も忘れられない。
競馬には"待つ"ことも必要で、"待つ"ことによって、大きなミラクルを生むこともある。
そこに、競馬の奥深さの一端を垣間見た気がした。
ディープインパクトには、本当にさまざまなことを教わった。
牧場スタッフによれば、その最期は「観念したように、苦しまず、静かなものだった」という。
合掌――。
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